九月の蝿がうるさくて/ぽえむ君
部屋の中で物思いに耽り
外で鳴る虫の音を聞きながら
ふと想うことを書き記し始める
書くそばから
一匹の蝿が
頭の後ろで勢いよく飛び回る
ブンブン
ブンブン ブンブン
ブンブン
ブンブン ブンブン ブンブン
ああっ
気が散る
ブンブン ブンブン
ブンブン
綺麗な言葉が汚される
ブンブン
ブンブン ブンブーン ブンブン
なんだこいつは
手で追い払っても
ブンブン
ブンブン ブンブン
ついに立ち上がって
手には殺虫剤
けれどもそいつは
なかなか止まらない
速いスピードで視界の外へと飛び回る
聞こえてくるのは
ブンブーン ブンブン
悔しいけれど
また机に向かう
ブンブーン ブンブン
どうやら
お前もお前なりに
秋を想っているのかい
ブンブーン ブンブン
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