踝 (くるぶし)/shu
 
今年はじめてみたススキの穂を庭先に飾り
半欠けの月を団子を頬張りながら
縁側で眺めていますれば
突如として思いもかけぬ激痛が走る
みるとあなたがトンカチをもって
わたしのくるぶしを叩いたのでありました
あまりの痛さに声も出ずあなたを見ると
ひひと笑っていたのです
「化石ごっこ」といいまして
時折互いの体をトンカチで叩く遊びが二人の間には
流行っておりましてこうゆう事態になったのでありますが
心の芯まで響くようなその痛さにもんどりうって
庭先に転がりくるぶしを掴んで
呼吸を整えること数分。
「そなたのそこにはなにかがあるであろう」
と問いかける月明
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