一件のメールを受信しました/ベンジャミン
 
「一件のメールを受信しました」

薄い透明な膜
電源を入れれば一瞬真っ白になる

僕のパソコンは液晶ではなくて
少しだけ奥行きを感じる画面

ラーメンが茹で上がるくらい
立ち上げる時間はかかってしまう
その面倒さを乗り越えてでも

その真っ白な一瞬を見つめるとき
そこにはコミュニケーションツールとしての
あるいは道具としての何かを意識することはない

「一件のメールを受信しました」

多様化する現代社会に
置いてけぼりにされるのが怖かったのか
ネットを始めたきっかけは良く覚えていない

仕事の道具としての必要性や
社会的スキルの要望もあったのだろうし
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