言葉について/ブライアン
 
社は文字で埋め尽くされる。
インターネット。情報過多。
書籍の不必要性が問われる。
これほど普及したツールが役に立たなくなる。と。

インターネットは「周辺の言葉」を無限のネットワークで「すべての言葉」にしようとする。だが、デジタルはデジタルだ。言葉はもはや人だけのものではない。
使い捨てカメラにだってかなわない。

出来事の扉を開く。エレベータの扉が開く。会釈。視線は意味を汲む。言葉は投げ捨てられる。語りだせ!と心が嘲る。
卑猥な笑顔で語りだす言葉。

「今日は暑いですね」
「そうだね」

受付嬢の横を通る。いつもと変わらぬ笑顔。

「今日は早いんですね」と受付嬢が言う。
「そうなんです」と笑顔。

言葉は無限の感情。破滅するかのように饒舌にネットワークする。
ネットワークされた言葉が、突然、自我から噴出する。

「今日から冬だ」

と、独り言する
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