若人の歌/白雨
 
 太陽の灯を消そう、
 吹き消そう、
 すると見えてくる
 難解な文字や数字を窓から棄げて、
 生まれくる冬の寒さが。
 仄白い僕の心のなめらかさ―
 太陽は嘘をついた。
 それゆえに巡り来た
 明るい夜、夜の太陽、
 楽しみをうたえば嫌な顔をする
 月の面々の渋い醜さが、
 僕をいっそう愉快にする!

 鏡の前で、若人が
 こっそり男の化粧をする。
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