言葉で 、愛を/もこもこわたあめ
 
道端にぽつんとひとつ
夕日色のビー球ひとつ 

落ちていた

別に何の変哲もないのだけど 体はなぜか引き寄せられて
心はその傷ついた透明の球体に吸い込まれる

ビー球なのか何なのか丸っぽいその空間は
暖かくてこそばゆくて

気持ちいい

しばらくたったと思う頃 少し気持ち悪いような感を覚えて
空間にふわふわ浮かぶ体を何とかして固定しようと試みる

居心地も気持ちよいその空間は
やたらと浮遊感が強くて落ち着かない

繋がっていたい

どこかに固定しようと試みたけど 全然そんな気配もなくて
あたりを見回しても杭も何もないからあきらめた

こういうのもまあ
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