別れ/桐野晴
写真のあの人は
いつもとかわらず笑顔でした
あの笑顔がもう無いのが
現実だと思えません
それでもいろんな人に支えられ
ちゃんと最後の挨拶
してきました
もうあの人は小さな箱に入るようになってしまったけど
今日
行けたのは
支えてくれた三人のおかげです
迷惑かけてごめんなさい
ありがとう
あの人は自ら選んだ
答えを出した
だから
ご遺族には申し訳ないけど
よかったね
ちゃんと楽になれて
よかったね
話をしたい人がいます
偶然と必然が重なりあった世界の中で
一秒も無駄にできない
ちゃんと話をして
全てを伝えておきたい
夏まであと少し
頑張らなきゃ
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