★41 オモイデノミズウミ/
貴水 水海
僕の思い出の地
もう湖面は凍っているよ
君と来た夏は
あんなに賑わっていたのに
人は恋をすると
臆病になる
何でも
恋に結び付けてしまう
僕もそうだった
命さえ君に捧げてもいいと
誰にも負けないくらい
君が好きだと思えた
だから
サヨナラを受け入れることができた
その恋を
氷の下に閉じ込めるために
僕はここに来た
湖面は凍っているよ
ここに
僕は終わった恋を沈めるよ
氷が解けても
終わった恋は
永遠に湖に抱かれたままだよ
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