秋の旅人/まどろむ海月
 





心を蝕む夢幻の色
叶わぬ願いが埋められた
星の荒野は
あの蒼天の彼方

高すぎる空の輝き
曇った大地から立ち上る幾多の眩暈

行為のシルエットをたどりながら
愛の曲を想い出したのは
風の中で天使のか細い指先が
旅人の頬に触れたから

肉の想いを捨てたとしても
無意味の光には耐えられない
愛に由来する哀しみは
去ってはいかない


 いったい何がしたいの
 なんで生きていたいの

したいことはいつも一つ
生きていたい理由も


それでも手を伸ばせない


痛みなんてほしいはずはないけど
死んだように旅をつづけ
あなたを見つめている





     




[グループ]
戻る   Point(5)