9/9 阿部薫忌に/大覚アキラ
 
阿部薫のように生きなければ、
阿部薫のような表現はできないのだろうか。

阿部薫のサックスのような詩を書くには、
阿部薫のように生きなければならないのだろうか。

ぼくはたぶん、阿部薫のように生きることはできない。
いや、絶対にできるはずがない。

速くなりたい。
誰よりも速くなりたい。

きっと、阿部薫が言う「速さ」の意味が、
ぼくにはまだ全然分かっていないのだ。
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