瑞祥をめざして/前田ふむふむ
 
るいのちの欠片を均等に揃えて。

わたしは、あなたの清らかな手に惹かれて、
至福の階段を昇りつめようとして、
透明な星座がつどう十字路にむかって
手を伸ばしてみる。

意志は、声をたおやかにして、謳いを膨らませて――。

盲目のひかりを浴びた船乗りは、
赤く滲んだ批評の旗を掲げて、
七色の海原の嘆きを越えてゆくだろう。

降りゆく朱雲を眺めた農夫は、
耕土を支える、みずの歌、
深く地底を流れる、永遠の祈りの声を聴くだろう。

ふたたびの序奏がしらべを広げて、
わたしは、いく度も、
嬉々とした白昼の往路に、翼をのばして、
瑞祥の目覚めを、さきがけるのだ。

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