瑞祥をめざして/前田ふむふむ
 

溢れるほど、満ち足りた言葉に、埋め尽くされて、
わたしは、天空を飛翔する鳥のように、
爽やかなひかりの音階の裾野に舞い降りる。

花々は寄り添い、一面を、湿潤な色香の帯を輝かせて、
痩せた暗闇をほどいていく。

東の空の産声に靡いている、子供たちの祈りが
讃美の間隙を浄化して、
あなたの広野がいっせいに色づいていく。
波打つ風は、森を走る色彩の淀みを、
滑らかに青く固めて、
森のみずを生きる、青い鳥の囀りを、
めがしらに乗せて。
ああ、滴る喜びの頬を、実りの色に染め急ぐ、
秋はほろ酔いの時を泳ぎわたる。

季節は楕円を整えて、弧を限りなく丸くして、
流れるい
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