亡き少女のためのパヴァーヌ 17歳/クリ
 
右手と左手のための協奏曲 より

休み時間にいつも
北の空を見ていたね

僕には好きな子がいたけど
君のこともいつも見てたよ

僕は4組の廊下で加藤と
君は3組の廊下でひとりで

いつもひとりだったね
声も聞いたことがない

たまにこっちを向くと
必ず小さく微笑んでいた

僕の心臓はひっくり返った
あり得ないほどの速さで

微笑みがそれほどまで
さみしくなれるなんて…

子供だった僕には君の
痛みの理由なんか量れなかった

いつの間にか君を
見ることがなくなった

ずっと後になって加藤から
自殺したと聞かされた

僕の心臓は今度
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(1)