青空の頁に 透明になった夏を しまい あなたの残り香を 時の風紋にゆだねる 世界は書物であり 読み飽きるはずもない私が 虚ろに頁を繰る わたしはどうしたのだろう わたしを あのひとを 豊穣の季節はやがて 君の指を染め 胸を眼を 発光させ 次々と彩り移っていくだろう そして いつかあの人も 空しく透きとおっていく 何もしなかったという わたしの罪も いつか むなしくなっていくだろうか すべてが透きとおっていく この書物の中で 青だけは かなしみのように 消えない