【 三途の音 】/豊嶋祐匠
 
  
    
  
  俺とアイツは
  
  もう50年も暮らした
  
  
  気恥ずかしかった
  
  笑いにも素直になれた
  
  
  大根が折れるほど
  
  ケンカも重ねた
  
  
  アイツの垂れた乳と
  
  俺の太鼓腹は
  
  伊達の暮らしの証じゃない
  
  
  
  俺はアイツを
  
  ベッドのパイプが反る程に
  
  張りつけて来た
  
  
  ミドリ色の蛇腹の管を
  
  黄色い唾液が流れて行く
  
  
  それを見つめる事が
  
  俺とアイツの営
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