小さな部屋の秋の風/ぽえむ君
 
小さな窓に流れ来る
微かな風の匂う秋
去りゆく時の寂しさか
訪れ来(きた)るうれしさか
僅かばかりの部屋の中

大きな空に染まりゆく
彩る色の魅せる秋
どこから来(きた)る雲なのか
どこへと向かう雲なのか
黙ったままの空の中

語ることなくその風は
広く狭くも平等に
高く低くも公平に
秋という名を告げてゆく
小さな部屋の窓の外

想いを馳せるその風は
強く弱くも同質で
遠く近くも同心で
秋という名を気づかせる
小さな部屋の秋の風
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