赤い太陽/白雨
 
 私は赤い太陽をみた
 それは
 戦場か
 酩酊か
 醒めたくも
 醒めやらぬ憂鬱の眠りのなかだった。
 それは
 文字どおり赤く巷を照らしていた。
 神々しい輝き、
 それゆえに街々は焼きただれ
 廃墟と化す。
 私は赤い太陽をみた
 裏通りの
 汚れたレストランのまえで
 それは
 私の頭に焼きついて
 まとわりついた。
 それは 
 私のあらゆる考えごとに引火した。
 それは
 私の手に持てる一本のナイフだった
 それは
 私の胸から流れてやまぬ血の色だった
 それは
 はためく天の旗だった!
 そして思った、
 赤い太陽
 なんて馬鹿馬鹿しいんだ!

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