追憶と天使/白雨
 
 今日もまた日は西より出で東へ沈み
 私の憶い出は汚れた鉄格子の窓を進む。
 雲を破る白い太陽の光は
 さびしく僕の感傷をあぶり出す。
 この部屋に居る僕の心を
 広場の噴水に残された少女の心が知っている。
 彼女は死ぬだろう、
 噴水は彼女の心残りを天に吹き上げて
 憂鬱な冷たい肉体は水底深く
 沈められるだろう。
 
 夕闇は降りて、
 暗がりに憶い出は褥をひくだろう。
 白い天使がやってきて、
 僕の心を慰めてくれるだろう。
 それなのに、僕は知らない
 僕がどうして心地よいかを
 それにもまして
 こんなにも心苦しむのかを。
 おお、憶い出は
 いつ
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