夢の国/桐野晴
 
夢の国 幸せの国
触れてはいけないものだった気がする
さまざまな形があるけど
うちは 声が聞けるだけでいい
話ができるだけでいい
凄く欲を言えば 会えたらいい
それだけが たったそれだけなのに
凄く難しくて 苦しい
でもね だんだん心がなれてきちゃった
苦しいのも 悲しいのも
わかんなくなってきちゃって
痛みだけが
鈍く響く
自分の意思で こうしてるのに
何も信じられなくなってきて
死んでしまえばいいと思ってる
普通って言う感覚なんかなくて
人の話を聞く度
こういうのが普通なのかなって思って
でも 普通じゃないのが普通になってきて
そのうち何にもわからなくなってしまったら
どうなるんだろう 苦しいんだよ
声が聞きたい それだけでいい
ねぇ わかってる?
私はもう 貴方なしでは生きられない
代わりなんてない
しょうがないことぐらい
わがままだってコトくらい
わかってるよ
ばーか
もっとバカなのは自分だってことも
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