時計/白雨
 
  
 手巻き時計のする音は、
 さながら大きな砂時計。

 砂はおのおの苦しみながら、
 海の底へと落ちてゆく。

 そこは奈落か、天国か?

 おまえに聞いても分かるまい。
 ただ順番を待つばかり。

 僕もまた、
 この万年筆も。
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