道化式/whipporwill
 




ある時気付いた
俺はいつだって道化だった

友の言葉に惑わされ
ゆらりゆらゆら
水面を漂う藻屑みたいだ

敵の妄言に遊ばれて
ひらりひらひら
朽ちかけた蝶のようだ

想い人の甘言に誘われて
くるりくるくる
滑稽極まりないゼンマイ仕掛けの玩具のようだ

そう滑稽だ
俺はいつだって滑稽そのもの
別に面白いジョークも
愉快な小噺も
幼子達からの人気もありゃしない
ただ滑稽

踊り方も知らず
ふらりふらりと
綱渡りで慌てふためく
白痴の踊り手

ああそうか
ああ、ああ
道化はただ滑稽であればいい
ジョークも小噺も人気も
俺には全く必要ない

俺はただ道化
いつ解雇されてもおかしくない
出来損ないの本物の道化

笑えや嗤え
胸に刺さった棘の痛みに呻く
愚かな俺の泣き笑い

気付いてくれないか
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