サマーフェスティバル/Keico
 
ぽつぽつと落ちてくる水滴が
汗と一緒に芝生に染み渡ってく

うなり声を上げて
宙を舞う砂


きらきら光る砂埃の向こうからは
止まることなく産声を上げるメロディー


この音は
この緑の下の何百キロ奥深くまで
響いているんだ

この音は
心臓に流れる血液の奥深くまで
響いているんだ


誰の汗か涙かもわからない世界で
無我夢中で拳を振り上げれば
冷たい潮風が音を運んできて
それをごくんと飲みこんだ


夏の最後
魂を食べた夜


墨を流した空に
まるで弦を弾いたような
心地よい音とともに花が咲いた



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