透明な箱/ふるる
 

憶測し
記録する

そこは美しいだろうか
恐ろしいだろうか
儚いだろうか
確固たるものだろうか

わからないけれど
わからないまま
詩人は透明な箱で透明な箱の外を記録する

読者は一時
忘れていた自らを捕らえる透明な箱と
その外の世界のことを
おもう
喜ぶ
嘆く
ほっとする
ぞっとする

透明な箱
その箱を決して
破ってはいけない
外に出ようとしてもいけない

そうすれば必ず
大切な何かを
代償として

失うだろう・・・・・・・・
戻る   Point(8)