お菓子パック/海月
 

妻には心配をかけ過ぎて小言が多くなった
誕生日に一緒に居られずに息子は翌日怒った
慌てて買って帰ったケーキを息子がテーブルから落とした時に自分のしたことの愚かさを知った
妻の怒鳴り声が更に追い討ちをかけた
それからは息子とも距離が離れていった
壁には幼稚園で書いたと思われる家族の絵
自分が其処に描かれていないのが辛かった
その時に自分の立場が砕けたのかもしれない
新しいお菓子のパックを息子の枕元にそっと置いておく
別に誕生日でもクリスマスでも何でもないけど息子はそれで喜んでくれるだろうか。
五つの夢がみれたらそれで満足だから、ね。
僕は明日から潰れていないお菓子になれるだろうか?



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