きみと指切り。/ユキムラ
 
きみと交わせなかった指切りが、今でも少し 心残りです。

きみはもう、とおに忘れてしまったのだろうね。
それが少しだけ、寂しい。


あの日 僕は、確かな気持ちで きみに恋をしていたんだ。
「そんなわけないだろ」って、きみは笑うかもしれないけれど。

本当だよ。ほんとはずっと、きみのとなりで どきどきしていた。
僕、いつもは あんな風にニコニコしたりしないんだ。
でも隣に居るのが きみだったから、いつもより少しだけ、頑張ってみた。


後ろからの車に気付かない僕の手を、ぎゅっと握って引き寄せてくれたコト。
優しくて温かい、きみの掌の温もり。
「ごめん」だなんて、あの
[次のページ]
戻る   Point(3)