きみと指切り。/ユキムラ
きみと交わせなかった指切りが、今でも少し 心残りです。
きみはもう、とおに忘れてしまったのだろうね。
それが少しだけ、寂しい。
あの日 僕は、確かな気持ちで きみに恋をしていたんだ。
「そんなわけないだろ」って、きみは笑うかもしれないけれど。
本当だよ。ほんとはずっと、きみのとなりで どきどきしていた。
僕、いつもは あんな風にニコニコしたりしないんだ。
でも隣に居るのが きみだったから、いつもより少しだけ、頑張ってみた。
後ろからの車に気付かない僕の手を、ぎゅっと握って引き寄せてくれたコト。
優しくて温かい、きみの掌の温もり。
「ごめん」だなんて、あの
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