ゆく夏/銀猫
 

曇り空に
夏が少し薄れて
鮮やかを誰かに譲った向日葵が
枯れた葉を恥じらうように俯いている

風に混じって遠い蜩の声が
髪を擦り抜けると
秋、と囁かれたようで
逝く夏に何か
何か泣きたい思いがする


陽射しに肩を晒し
太陽に愛された証拠の
じりりと焦げる肌か愛しかった
恋うる想いの熱情に似て


この夏の終わりに
どんなうたを捧げよう


薄れてゆく夏の終わりは
いつもと変わらぬ夕闇で
今日は白の服も着ないで



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