コミック雑誌/光冨郁也
その日、だれかに呼ばれたような気がして、家から外にでた。近所の、さくらの並木通り、書店でコミック雑誌を買う。花を見ながら、小学校の前を通りすぎ、病院へと向かう。となりのレストランの、外壁の大きな鏡に、通りすぎるわたしの姿が映った。
二十年前、ここを通ったときは、レストランはなかったが、この小学校も、通りをはさんだ病院もあった。わたしの前を小学生が走り去る。
わたしは少年の視線になる。
待ち合いの長椅子で、わたしはコミック雑誌を読んでいた。赤茶色の紙に、だぶった印刷で、絵が描かれている。父の個室から呼ばれて、雑誌を椅子の上において、部屋に入った。学校を見下ろせる、病室の窓に映る半透明な
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