『鈴香』/士狼(銀)
した
皆、次郎君が恋しくて死にました
残ったのは八の子供でしたが
鈴香の子なのか京香の子なのか、由香の子なのか
見分けがつかないくらいそっくりでした
ある日僕が鈴香の元にやってくると
三の子供しかいなくて
鈴香の腹は、ぱんぱんに膨れていました
床には幾つか肉片が残っていて
鈴香が五の子供を食べたのがよく分かりました
それから僕は三の子供を隔離して
鈴香はひとりぼっちになりました
それでも鈴香はお腹が空いたら生みました
次郎君の子供であることを祈りながら
何度も何度も生みましたが
どの子も生きては生まれませんでした
鈴香は食べて食べて、また腹をぱんぱんにして
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