血の匂い/水在らあらあ
 
一.

 俺の知らない赤で
 雲が光の中で
 死んでゆくんだ
 今も

 おまえの知らない青で
 波が砂の上で
 壊れてゆくよ
 ほら

 見ろよ
 カモメの親子が今
 俺もおまえも知らない
 風に乗ったぜ

 そんなさ
 そんな風景の前に立って

 何か まあ なんにせよ綺麗な
 何かにやられちまって
 でへへへ えへえへ って
 笑っているおまえは

 真っ白いドレスを着て
 そのドレスの白も笑い声も
 俺たちが知らない風に
 流れるから

 その風を
 二人で名付けて
 その名前を
 夕日に預けて

 明日まで 燃やしても
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