葉蔭より/白雨
夢のような 心軽さで
私は窓辺にたっていた
黄色い灯(あかり)が漏れていた
やみがたい 私の心のすき間から
疲れた貴女(あなた)のしぐさのひとつひとつが、
瞳(め)を見開いた 真昼間の
私のまえとはまるでちがう
葉蔭より ひそかな驕りと
艶めかしさを 織り交ぜた
その両の瞳は、
鏡の奥の 誰をかを見つめているものか
やみがたい 私の心のすき間から
知れず流れる薄桃色の香水は
ひとり酔う貴女(あなた)の鏡の酒宴の客人(まろうど)の
あこがれる瞳のうちに、知れず、その気狂いの顔を浮かべる。
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