「内破まで、あと3分です」/クリ
君のことを考えていられるのは
今から、この詩を読み終えるまでの
たった3分の間だけなのだろう
気を抜くと置き忘れる感情移入
応えのない呼びかけと、持続力の欠落
こうして無限のアキレスの待ちぼうけを喰らう
こうしていつも3分遅刻する注意力
きゅらきゅらと言葉を捩じ込んでみる
でもそこはもはや時刻の屍
世界平和が余計なお世話と似てくる
君はこうしたほうがもっと美しい、と
優しくもぎ取ったのが心臓だったり
存在理由だったりする じゅぶじゅぶと
ゆうべの夢が、白い水蒸気となって
また、恋人を無意識に傷つける
そして別離の言葉
「白いのは湯気だよ湯気。水蒸気は見えないぞ」
もう3分は過ぎてしまったのだろう
セピアの 致命傷
Kuri, Kippl : 2001.01.07
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