破片/岡部淳太郎
 
ている

ばらばらにされる!
    (君のせいで)
        俺の思っていることはたしかだが
君の思っていることはわからない
    だから ばらばらなんだ
        だから ぼろぼろなんだ
幽霊とともにしか
    在ることができない宿命
        と戦うために

        俺は生きているのか

ああ!
    (君のせいで)
        雨がやってきて
ばらばらになった俺の破片を
    濡らし 押し流す
        いまや数億の破片に
分かたれてしまった俺が
    ただひとつ
        望むことがあるとすれ
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