逃れられない/
プテラノドン
パイロットサングラスを頭にのせた、
巫女たちが夢に見る黙示録―
蜘蛛の巣一つない大広間。シャンデリアの上、
タキシード姿でシルクの手袋を咥えた燕が
フィアンセの現れる柱時計の 時が打たれるのを待つ。
真っ赤なペガサスが浮かぶ頃、と彼女たちは考える。
燕の口から手袋が落ちるとき、時が止まる。私たちが
ため息さえつかなければ。沈黙でもって語り続ける
神の声が届かなければ―
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