同じ高さで反転する昼下がり/夕凪ここあ
 
と感じて
これ以上の階段は知らない場所に通じているようで 夕方
かくれんぼをして一人ぼっちに泣きじゃくった夏の日
隣でねこじゃらしの優しい毛先が同じ目線で
風の行方を追っていてそれを捕まえようと手を伸ばしても
永遠に近い場所へは決して繋がっていなかった
また、反転していく

昼下がり横になってそんな夢を見ていると
夏の終わりに吹くような淡い風が頬を撫でて
窓の外では一面のねこじゃらしが一斉に
風の向かう場所を指差した
部屋の中に何か懐かしい香りが広がって
何か思い出せないまま
やがて消えた
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