同じ高さで反転する昼下がり/夕凪ここあ
窓を開けると庭でねこじゃらしが揺れて
通り過ぎてきた時間を優しく撫でていく風
いつの間に同じ高さから空を見れなくなったか
なんて もう思い出せないほど遠くに流されて
昨日思い出に留まっていた公園がもう
使い古された落書き帳の一ページに
色あせて消えかけて残るだけ
色鉛筆で塗られたその色が本当かどうかなんて
わからないコンクリートの下
いつまでも忘れられてく
私たちの夏の日は 反転していく
ゆっくりと呼吸よりも静かに
いくら気づかないことを悔やんでも
空が夕暮れるスピードで
大人へと向かってしまう
二階の高さからシャボン玉を飛ばして
弾けることが綺麗だと感
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