SAS/チェザーレ
魚、ありふれた、罪過。
魚の見る夢ではないのか?
僕の人生は、海の底で眠ってる。
時々僕は、息をすること忘れてる。
毎夜、溺れて目が覚める。
びっしょりと布団を濡らし、打ち揚げられた魚のような姿で。
蒼ざめた唇をなめ、そっと溜め息を漏らす。
本当に必要?
問いかけながら。
魚、歩き出せば、さらに苦しい。
毎夜、魚は息が苦しい。
きっと必死でエラを探してるのだ。
いつかあの広い海へ、帰る日を夢見て。
蒼ざめた唇をなで、そっと呟きを漏らす。
あぁ、生きていて良かった。
暫定的な口取りで進化を諦める。
魚、過ちは、最期。
しかし僕は沈んでゆく。
太陽は重力をさらに重たげに照らすから。
昼間、僕は魚になる。
魚、明日には、去りゆく幻。
※Sleep Apnea Syndrome(睡眠時無呼吸症候群)
戻る 編 削 Point(5)