WXIII/panda
 
触角と触覚を這わせつつ
小さな放電に胎児は笑うよ
仄かに点灯する眼球
路地裏の医院は
そのまま海底に通じる墓標
アネモネが花開く
あるいは蛟の陰部
泥の中では常に交合していると
博士である君達は陳述する
それは挨拶のない離別
天道の赴く処には殺戮
灰は血によって清められた
だが、何処にも還ることなく
巨大都市(メガロポリス)を見下ろす
衛星、二つの星。

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