クラッシュ/いとう
壊れゆくものはとても美しい
なんてあたりまえのことを叫んだりはしない
毎日が間違っていく過程だとすれば
それはとても正しいことに違いない
壊れる
という状態を恐れない
恐れない、という状態が一番恐ろしいことを
誰もが気づいていない
(すでに壊れているものが多すぎるので)
(知ったものはすでに壊れているので)
ときどきには「私」の話をしてみたりもする
それはもしかしたらいつもかもしれない
「君」にとっては
それは同じことなのかもしれない
もしかしたら
私も君も
(そういえばあれはどちらが私だったのだろう)
命題1
何をもって
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