SLITWARD HO/panda
 
 なにもない。なにもないということは、なにかとなにかの間であり続けること、間を巡り続けること、遊行すること。
 そこではなにかであることは雪の如く舞ってゆく。雪の中のように何処が境目なのかはっきりしない、そもそも境目なぞない、そこ。境目なぞない隙間へと脱出していく。間へと。
 しかしそこにはやはり液体がある。或いは液体が残る。雪がやがて辿り着いてしまう液体がある。それは誰?
 そしてまた残滓。離脱すること、間になること、何かを遺してゆくこと、残ったものになること。
 遂には産まれへと撒かれる。屑のように、なにもない。

 それは窓の外。残されて‐いない。なにもない。
 誰?

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