ポエティック・メランコリー・シンドローム/岡部淳太郎
彼等のかたわらではやくも
時は次の季節を演出するための準備に入っている
だが
突き刺すようないたみと
地を這うような憂鬱に
支配されて日々を過ごす者にとっては
すべての季節はただ無常であり
非情でもある
ポエティック・メランコリー・シンドローム
さらなる追い打ちをかけるように
あなたにまつわるすべての観念が
私を捉えようとしている
咎を負い
扉を潜ってゆくことも出来ず
私は血の中に倒れ伏したまま
持てる限りすべての感情を
あなたに向かって集中させる
(そのことが)
自らをますます追いつめようとしてい
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