青空に恋して/まどろむ海月
 


岬の外れの
少しはなれた樹の陰から
長い髪に揺れながら
無防備な天使の仕草で
怪訝そうに私を見つめ返す
透き通る瞳の 青空

不安から覗き込んでも
君の背中に羽はない
薄い羽そのものでもあったね
うまくは言えないけど


 あなたはあなた
 それは
 その通りだと思う
 いつも そばに
 いてくれるなら
 それでいいもの


陽当たりが良すぎるのか
君は眩しすぎて

 春だね
 せめて その
 細い手を握ってもいいかい

 やわらかな唇に触れるのは
 あと
 百年は 我慢するから














                 (初出06'3/8)


[グループ]
戻る   Point(6)