夏の日の一コマ/広川 孝治
 
陽炎の立つアスファルト

あなたの飲みかけのコーラ

受け取りためらい無く口をつけるペットボトル

ためらいから柔らかな安堵へと染められる眼差し

僕の微笑を受け止めるはにかんだ笑顔

お互いの汗が重なり合う手の平

遠く離れた街

知り合いが一人もいない街

隠れてしか会えない二人

夕食前の別れ

乗り込むそれぞれ違う電車

ホームでいつまでも手を振るあなた

胸を焦がす想い

指折り数える日数

次の逢瀬への期待

考えまいとする未来

夏の日の一コマ
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