(R)/ふるる
ぜいぜいと肩で息をしている硬いダイヤモンドのような鳥だった。その鳥の瞳は錆びた空き缶の淵のようにギザギザだった、切れそうなほど。ドアーの向こうから光が差すのに鳥は這っても行けないのだ。天井にある剥がれかかったポスターの「R」の文字が気にかかる、どうしてあの文字だけが赤いのにいさん、と妹は尋ねる。裸で見上げた天井のポスターには大きな白い鳥が人の目をしてこちらをじっと見下ろし、鳥の左の翼は取れかかっていた、右の翼はひどく小さかった、前の翼はだらりと垂れ下がり、後ろの翼は刺さっていた、それは確かに刺さっていて、矢のように鳥をいつまでも苦しめ続ける。
どうしてだかは分からない、もうおねむりよ、とにいさん
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