斜陽/なるせ
 
きみにさよならを言うために
長らえた声帯じゃないよ
きみの名を呼ぶために
残された命だ

そう望んだんだ
それは紛れもなくぼくだ

火薬と木造の家のにおいが
いつまでも記憶を掠めるように
朝焼けはまるで
新しい海がうまれたみたいにきれいだ

この場所できみをよぶ
この場所でぼくは泣く
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