斜陽/
なるせ
きみにさよならを言うために
長らえた声帯じゃないよ
きみの名を呼ぶために
残された命だ
そう望んだんだ
それは紛れもなくぼくだ
火薬と木造の家のにおいが
いつまでも記憶を掠めるように
朝焼けはまるで
新しい海がうまれたみたいにきれいだ
この場所できみをよぶ
この場所でぼくは泣く
戻る
編
削
Point
(2)