暑中見舞 (旅先より)/ベンジャミン
 
暑中見舞などと称して
こうして詩などを書いておるのです

まったくもって
情緒も何もないままに
蒸し暑い夜を
あと何度か通り過ぎた頃
それが思い出となるには
わたくしはまだ言葉足らずで

それこそ列車がゴウンとかガタンとか
蝉がミンミン鳴く方が
よほど詩的であることに

焼けた肌をいっそう赤らめながら
どうぞ皆様
素敵な晩夏を迎えられますように

誠に不精なわたくしの
これが暑中見舞でございます




夏わたり浮雲
日傘よろしく眩し
鉄橋からは
人が小さく眺められます




かしこ






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