遠音/はな 
 

けれど紡ぐことは
とても曖昧で
かさなるより 容易くはなく



あの日
深夜のほてるで
あなたの
UFOキャッチャーで掴んだぬいぐるみが
湿気を すい取ってゆく
列車に包まれて見た
がらすにあたっては横にながれる
いつかの雨を
おもいだす



みどりいろの
夕立が去れば
あしおとをしのび
あなたは銀色のみちを来る
汗ばんだ手で
湿ったきょうを ぎゅっと掴んで}


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