夜の記憶を。/hiroto
昼はいやだな
いつも夜のことばかり考えてたいのさ
暗がりの肌に色を溶かしあえば
はしゃいだ記憶は 消えていくのさ
僕がとびだすのは だからそれが理由さ
いつかはどうせ なくなるコトさ
うつむいたってうずくまったって それは駄目
駄目なことなのさ
すすめばすすむほどそうさ
すり減ってゆくのさ
うすれてゆくのさ
優しいから僕は好きさ
夜は寝ころんだヒトを照りつけはしないし
ビスで止めたって意味は無いのさ
だって捕まえられるわけもないし
猫が何か言いたげで塀の上から僕を見下ろした
ほら行けよと目でおいはらったら
振り向いた夜に僕が手を振りつづけても
何も言わずに行ってしまうのさ
だから好きさ
うすれていくのさ
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