雌狼へ/
A-29
僕が放った22口径の銃弾が君を捉えた時
君の悲鳴に僕は足がすくんだ
流れる鮮血に僕は自分を呪った
なぜ逃げない
なぜ帰って来た
僕の手に銃があるのは知っているだろうに
僕の射程がどれほどか知っているだろうに
透明な唾液のような微笑みは無邪気な人の子のようなあどけなさで擦り寄って来ては脈絡もなく警戒し混乱し逃走する!
発砲は過った!
射手と狼
射手と狼
宿命としか言いようがない
しかしなぜ!
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