大車輪/紀ノ川つかさ
 
しているだけであるから
月と地球にエネルギーのやり取りは
存在しない
もう気がつくだろう
次々と押し寄せる波の動力は
無から生まれてきているのだ

大車輪の事実は
人々を愚かなままにしておきたい
支配者が否定し続けるだろう
法則を唱える者は全て支配者である
法則に従った考えを強制する者も
全て支配者である

しかし
たとえ時が経とうと
どんな支配者が出現しようと
永遠に回る大車輪は
守られ続けるだろう
耳を済ませば
その音は今でも聞こえてくる
ザクセンの古城の地下室
その車輪のきしむ音が
重く
そして
確実に


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