さようなら/黒花
 
夕方の 空がキラキラと光るころ
川原で見つけた 小さな命
キミはまだ なにも知らない
小さな雛でした 小さな・・・
キミのいるところまで 
手をのばしてみたけど
涙で
見えなくって・・・



ごめんね
助けてあげれなくて・・・

こんなにも自分が小さいなんて
きずいてなかった・・・
あと少しなのに
その震える身体を
抱きしめてあげれなかった

流れる川の音
痛い音にかわり
その音は
ピアノでも
鉄琴でもなく
とても苦しそうな
壊れたトランペット・・・
まるで私みたいな 音をだしていた


でも
聞こえてたよ
キミの声が 
か細い声で呼んでたよね
必死に何度も・・・何度も・・・

寒かったよね・・・辛かったよね・・・
今からは大きな空を いっぱい
いっぱい 
飛べるよ
だから怖がらないで・・・
小さな翼で飛んでごらんよ
きっと
キレイな夕日が君を 待っているから

さようなら・・・昨日

さようなら・・・去年




さようなら・・・明日






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